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能登
I.
先日、能登半島地震後初めて現地を訪れました。発災後、1年と少したちますが、まだまだ多くの問題が立ちはだかっているようです。きれいな雪景色で覆われていましたが、短い滞在時間の中で見聞きしたことを備忘録的に書き留めます。
・宿泊した能登有数の温泉地「和倉温泉」は旅館21軒のうち営業再開にこぎつけたのは僅か4件。遠目からは何事もなかったような大型旅館も、近くで見ると傾いでいることが分かります。解体準備にかかっている施設も見受けましたがほとんど手つかずの状況。
・幹線道路の修復は終わっているが、脇道とかはまだまだ未整備の区間も多く、そのような地域では公費解体が進んでいない。
・公費解体などの工事業者の多くは、能登に宿泊する場所が少なく金沢方面から通っているので時間がかかるのと朝夕の幹線道路の渋滞がひどい。
・仮設住宅は原則2年で出る必要があるが、平屋の住宅でも2,000万円以上の建設費がかかる。被災した高齢者は現金なく、ローンも組めずに途方にくれている。復興公営住宅の建設もこれからのようだ。家族や知人のいる金沢方面の賃貸住宅へ引越しを検討している方も多いとのこと。
・漁港の多くは隆起して使えない状況。旅館、観光業も先が見えず、働く場がない。
・能登空港も滑走路の亀裂等の修復が完了していない。(離発着には問題がないが揺れがひどい)のと鉄道は復旧しているが乗車している方はほとんどいない。
・発災後、観光パンフレットや地図の更新ができていない。通常営業の施設はともかく、休館中の施設が再開するのか解体するのかの方針が決まらず、地図等に手がつけられない。観光案内所の方は申し訳なさそうに発災前の残っている印刷物を渡してくれた。そこには美しい能登の姿がありそれがちょっと物悲しい。
・由緒ある穴水大宮という神社も鳥居が倒れ、石垣が崩れるなど、復旧にはかなりの時間と費用が必要。
・僅かな光として、のとじま水族館の再開し、各地の水族館で預かってもらっていたペンギンやイルカが能登に戻りつつあり、この春にはフルオープンになるようだし
・和倉温泉にある著名なパティシエのお店、「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」では、能登の恵みをふんだんに使用したスィーツのお店が再開したり、穴水の「力」と言うチャンコ料理の店で昼食をいただいたが、ご夫妻が笑顔で頑張っている(孤独のグルメ2024大晦日スペシャルに登場)姿を見ると少しずつではあるが前を向き始めているのを感じた。





➀何事もなかったような和倉温泉の雪景色 ②傾いでいる大型旅館
③石垣の崩れた穴水大宮 ④四脚鳥居が倒壊した穴水大宮
⑤発災当時のままの観光パンフレット等 ⑥復旧しているのと鉄道
⑦穴水にあるちゃんこ料理「力」の女将さんと ⑧仮設住宅
⑨「ル ミュゼ ドゥ アッシュ」のケーキ ⑩帰ってきたのとじま水族館のペンギン達
⑪公費解体を待つ住宅
(上段 左➀ 右② 以下同様)