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原点を訪ねる集落の旅 part.2 上大角豆さんぽ (つくば市)
I.
5月末の日曜日、聚文化研究所、伊藤さん主催のイベントに参加してきました。
集合は、つくば市中央公園にある「さくら民家園」。この民家園に移築された主屋は、つくば市上大角豆(かみささぎ)の豪農横田家のもので、江戸時代後期と推定されています。
移築されたのは、昭和59年(1984年)。筑波研究学園都市の研究学園地区への研究機関の移転が昭和55年(1980年)に完了し、いわゆる概成という表現が使われ、また、昭和60年(1985年)には国際科学技術博覧会(つくば科学万博)が開催されるなど時期です。このことからも、開発地区内に周辺に広がる農村集落の代表的な農家住宅が移築された意義を読み解くことができるかと思います。この移築は報告書として残されていましたが記録映画も撮られていました。その映像を移築された主屋の中で見ることができたのも貴重な体験でした。
その後、上大角豆集落の散歩へと移りました。案内していただいた方は、さくら民家園に移築された横田家の現当主の方でした。
大角豆集落をゆっくり散歩するのは初めてでしたが、見事な屋敷林が連坦し厚い緑のやまを作っている景色は圧巻です。本家と分家の位置関係、敷地割と農地との関係などに説明を受けながら集落を一周しました。この上大角豆は研究学園都市の開発地区に隣接していますが谷津田がクッションとなり、また、集落縁辺には研究学園地区から、この環境を気に入り溶け込むように移られている方々も多いようです。
課題としてはやはり空家問題があげられました。何しろ大きな農家住宅で、移り住むにも一工夫、二工夫、必要です。また、集落では敷地が広いこともあり、二世帯、三世帯で住み続ける場合、分棟型で住宅を建てているとのこと。
この素晴らしい集落環境が上手に次の世代へと受け継がれていくためには、1集落を超えた知恵と工夫の策が必要だと感じました。
上